プルアップレザーとは

牛革の魅力の1つは、プルアップレザーですね。
プルアップとは、革の中にあるオイルが移動して色味が変わるレザーです。
簡単に言うと折り曲げると色味が変わります。
(折り曲げて色味が変わっても時間が経過するとまた戻ります)

丁度ミスティックのシナモンを触る機会があったのでサンプルにしました。
色が濃い方がオイルを多く含んでいるので折り曲げた際の明暗はより濃く出ます。

プルアップレザーは当ショップだと・・・・

・クロムエクセルレザー
・ダービー
・ミスティック
・オリオン

とほとんどがプルアップレザーです。
クロムエクセルレザーは日本でプルアップレザーを流行らせた代名詞だと思います。
※ちなみにブラックはプルアップしても変わりません・・・・

面白いのが、クロムエクセルレザーのオリーブとグレーネイビーです。

オリーブはプルアップすると黄色味が出てきます。
グレーネイビーはプルアップするとグレーが出てきます。

腕時計ベルトは制作時は真っ直ぐです。(真っ平ら)
でも使用時は腕に合わせて曲げて使う物です。
なのでお手元に届いた時の色味と暫く使ってオイルが移動した時の色味が異なります。
(届いた時よりも薄くなります)

この色味の変化が特に分かるのは、クロムエクセルレザーのナチュラルです。
お手元に届いた時はブラウン?と思いますが、使用していくと色が薄くなります。
実際私が革を仕入れた時にブラウンだと思っちゃいました・・・・

他に面白いのが最近マイブームの洗浄とオイルアップです。

このレザーはダービーのナチュラルですが、オイルを多く含んでいる箇所を使っているので
ヒビ割れの様な虎の様な模様がシワに出ます。
この色が濃い箇所は中に含まれているオイルが要因で濃くなっています。
なので折り曲げると色は薄くなります。

折り曲げて薄くなった箇所もナデナデしていると元に戻ります。
オイルは溜まりやすい箇所に溜まるという事でしょうね。

1年使ってそれぞれのシワを作ってから洗浄をするとより濃淡が濃く出て味わい深くなります。

HORWEENのダービーは手間のかかったレザーです。
まず牛革をシェルコードバンと同じ鞣し方で作ったのが、エセックスというレザーです。
先週までlmited orderで受付していました。

このエセックスを更にオイルなどで鞣したのがダブリン。
更にダブリンをオイルで鞣したのがダービーです。

なので、エセックスよりも繊維が荒い上に熱が入り収縮も入りでシワが多のです。
・・・・だと思っています。

これも私の予想ですが牛革にも個体差があります。
最初に鞣した時にキレイなのはエセックスとして売られ、シワが多いのはダブリンになる。
そしてダブリンでも選別されてシワが多いのはダービーになるのかと思います。

実際エセックスは非常にキレイなレザーでダブリンも比較的キレイなレザーです。
(このキレイというのはシワが少なく、比較的革の繊維も全体的に細かいという事です。)

このダービーのシワ感が腕時計ベルトには丁度良い雰囲気を出してくれます。
しかもシワが多いレザーは柔らかいのでまた丁度良いんですよね。

牛革は経年変化だけでは無く、革自体にもタンナーの試行錯誤があって面白い商品(革)があって奥が深いです・・・・

↓HORWEENレザーを使ったカテゴリはこちら
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